髪の毛が細くなってしまったり、抜け毛が多くなってしまったりする壮年性脱毛症や、ホルモンバランスの変化や生活習慣の乱れ等が原因で起こるびまん性脱毛症に悩む女性たちのたために薄毛対策として女性用育毛剤が数多く販売されています。


しかし、女性用育毛剤にはどのような成分が入っていて、どのような効果があるのか疑問に思う方や、副作用はないのかと心配になる方も多いでしょう。
そこで、今回は女性用育毛剤の成分の作用と副作用について解説します。

女性用と男性用の育毛剤では成分が異なる

医薬品の育毛剤は、女性用の育毛剤と男性用の育毛剤は主成分が異なり、女性が男性用の育毛剤を使用すると効果がないだけではなく、重大な副作用が出ることがあります。
医薬部外品の育毛剤は、男女兼用で使えるものも多く販売されていますが、男性用に限定された医薬部外品の育毛剤は、主にで男性用脱毛改善商品であり、女性にはあまり育毛効果がありません。

男性の脱毛症の主な原因

男性の薄毛の大半は男性型脱毛症で、男性ホルモンのテストステロンが、髪の毛が薄くなる作用があるジヒドロテストステロンに変化することと、頭皮の血行不良により髪の毛を作る毛乳頭に十分な栄養が行き渡らなくなることによって引き起こされます。
従って、男性用の育毛剤には、ジヒドロテストステロンを抑制する作用がある成分と、頭皮の血行を促進する有効成分を含んでいるものが多くなります。

女性の加齢による脱毛症

一方、女性の薄毛は加齢によって頭皮が糖化し、頭皮が固くなった結果、血流が悪くなることで毛根に栄養や酸素が運ばれにくくなり毛根が栄養不足に陥ること、髪の毛の成長を促す女性ホルモンが減少することによって引き起こされることが多いため、女性が育毛するためには、頭皮に栄養を与える成分と女性ホルモンを補うホルモンバランス調整成分や、女性ホルモンと同じ働きをする有効成分を含んでいなければ、十分な養毛効果が得られません。

女性用育毛剤の主な成分

では、女性用の育毛剤にはどのような成分が含まれているのでしょうか?
女性用育毛剤の主な有効成分とその効果を表にまとめてご紹介します。

製品名 主な有効成分 備考
マイナチュレ グリチルリチン酸2K
酢酸トコフェロール
センブリ抽出液
ミツイシ昆布
モンドセレクション金賞を受賞
ベルタ育毛剤 グリチルリチン酸2K
酢酸トコフェロール
センブリエキス
56種類もの育毛・頭皮ケア成分を配合
Wアプローチ
ヘアプログラム
グリチルリチン酸2K
酢酸トコフェロール
センブリエキス
ピロクトンオラニン
パントテニールエチルエーテル
ノンアルコールで無添加
長春毛精 グリチルリチン酸2K
酢酸トコフェロール
ヒノキチオール
女性のために十二種類の生薬を厳選して配合
リアップジェンヌ ミノキシジル
パントテニールエチルエーテル
酢酸トコフェロール
l-メントール
妊娠中は使用不可
メントールの刺激で頭皮がかぶれる場合あり

女性用育毛剤の主な成分の作用と副作用

女性用の育毛剤を使ってかゆみやかぶれなど、アレルギー肌が過敏に反応してしまうことがあります。
それらの症状が主な成分が原因とは限らず、主成分以外の添加物による場合もありますが、主な成分の作用と副作用は、ぜひ知っていただきたいところです。

グリチルリチン酸2K

グリチルリチン酸2Kとは、別名カンゾウエキスとも呼ばれ、カンゾウ(甘草)の根や茎から抽出した成分です。
グリチルリチン酸2Kには、抗炎症作用、抗アレルギー作用、殺菌・解毒作用があり、頭皮のかゆみやフケを予防しながら、殺菌作用により頭皮を清潔に保つ効果があり、頭皮環境の改善を促します。
グリチルリチン酸2K配合の商品は、マイナチュレ、ベルタ育毛剤、Wアプローチヘアプログラム、長春毛精などです。

過剰摂取に注意

サプリメントなどで過剰摂取を行い、服用量が1日40ミリグラムを超えてしまうと、偽アルドステロン症という副作用の症状が起きる可能性があります。
偽アルドステロン症の症状としては、手足のしびれやむくみ、頭痛、吐き気、麻痺などがありますが、これらの症状は誤って服用してしまった場合の副作用ですので、頭皮につける育毛剤の場合はほぼ心配ありません。

酢酸トコフェロール

酢酸トコフェロールとは、トコフェロール酢酸エステルとも呼ばれ、人工的に作られたビタミンEの1種で、女性用の薄毛治療薬として広く知られています。
酢酸トコフェロールには、肌の酸化を防ぎ、かゆみ・肌荒れ・湿疹などの肌トラブルを防ぐのと同時に、末梢血管の血行を促進するので、毛母細胞への血液循環量が増えて、髪の成長を促す効果があります。

酢酸トコフェロールの女性用の商品は、マイナチュレ、ベルタ育毛剤、Wアプローチヘアプログラム、長春毛精、リアップジェンヌなどです。

副作用や過剰摂取に注意

酢酸トコフェロールは頭皮用として、皮膚に使用する分にはあまり直接的な副作用がありませんが、敏感肌の方はかゆみやかぶれなどの肌アレルギー反応が出る場合があります。
また、サプリメントとして服用する場合には過剰(上限は1日650ミリグラム)に摂取すると、下痢、胃部の不快感、肝機能障害、筋力の低下などが出ることや、骨粗鬆症のリスクが高まることがありますので注意が必要です。

センブリエキス

センブリエキスとは、センブリという胃腸虚弱、下痢、腹痛、脱毛の症状に効果がある薬草から抽出・生成された天然成分のエキスです。
センブリエキスは、血行促進効果があるスエルチアマリンなどの成分が頭皮に浸透させることで、毛髪の元となる毛母細胞に、栄養素を運ぶ血液の血流状態がよくなり、薄毛を改善する効果があります。
頭皮の塗布する場合は大きな副作用はありませんが、かゆみや火照りを感じる場合は使用を止めましょう。

センブリエキス配合の女性用の商品は、マイナチュレ、ベルタ育毛剤、Wアプローチヘアプログラム、長春毛精などです。

ミツイシ昆布

ミツイシ昆布はM-034と呼ばれ、天然由来成分のため、お肌に優しい養毛成分で、肌を柔らかくする、肌を活性化する、保湿するなどの働きがありますので、乾燥肌や髪の毛が細くなってしまって薄毛になるタイプの女性の薄毛対策には効果があります。
天然由来成分なので、目立った副作用はありません。

ミツイシ昆布配合の女性用の商品は、マイナチュレなどです。

ピロクトンオラニン

ピロクトンオラミンとは聞き慣れない成分ですが、ヒドロキサム酸誘導体であるピロクトンとエタノールアミンから形成される塩であり、殺菌薬として用いられる有機化合物です。
ピロクトンオラミンの育毛効果としては、殺菌作用、抗酸化作用、頭皮の皮脂の過剰分泌を抑制する効果があります。
しかし、副作用として頭皮のバリア機能として働いているよい細菌・真菌も殺されてバリア機能が低下してしまう場合があります。

ピロクトンオラミン配合の女性用の商品は、Wアプローチヘアプログラムなどです。

パントテニールエチルエーテル

パントテニールエチルエーテルはビタミンBの1種で、ビタミンB5誘導体です。
パントテニールエチルエーテルは、保湿力が高いため、頭皮を柔らかく保つことができ、育毛剤の浸透性の向上や、フケやかゆみの軽減、炎症を抑える効果が期待できます。
気になる副作用ですが、パントテニールエチルエーテルは、ビタミンBの1種であり、食品などにも多く使われている成分ですので、心配になるような副作用はありません。

ピロクトンオラミン配合の女性用の商品は、Wアプローチヘアプログラムなどです。

ミノキシジル

ミノキシジルは日本の厚生労働省が発毛効果を認めた2つの発毛成分の1つで、もともとは高血圧用の血圧を下げる薬です。
もう1つの発毛成分はフィナステリドでロゲインという発毛薬に含まれますが、フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)の治療薬に含まれる医薬品成分ですので、女性用の育毛剤には含まれていません。
ミノキシジルは血管拡張作用で血流を増やすことにより、髪の毛の細胞分裂の働きを促進することで髪の成長を速める効果があります。
ミノキシジル配合の女性用の商品は、リアップリジェンヌだけです。

副作用に注意

外用のミノキシジルは厚生労働省が認めた発毛成分だけあり、発毛効果も期待できるのですが、ミノキシジルには副作用もあります。
ミノキシジルの代表的な副作用は、低血圧 、不整脈、動悸、多毛症、性欲減退、男性機能減退、にきび、肌荒れなどがあります。
これらの副作用があるため、低血圧症の方や、妊娠中の方などはミノキシジルを使用してはいけません。

女性用育毛剤の副作用まとめ

日本で市販されている女性用育毛剤は、頭皮に直接塗布する外用薬タイプのため、用法・用量を守って使用する分には、あまり深刻な副作用はありません。
ただし、例外として、リアップジェンヌに配合されているミノキシジル成分には、副作用も報告されているため、使用には用法を守って十分な注意を払う必要があります。